老後に平屋に住む5つのメリット

2階を設けない平屋は、シニア世帯が住みやすい住宅です。

階段での階段の上り下りがなく、生活動線や家事導線をシンプルにまとめられるので、決して多くはない体力でも安全かつ快適に暮らすことができます。

子育てや仕事も一段落した老後は、夫婦二人が快適な空間でゆっくりと過ごしたいもの。「夫婦二人暮らしになったら、小さな平屋で生活してみたい」と思うのではないでしょうか。

この記事では、平屋に住むメリットやシニア世帯が快適に過ごせる間取りについて解説します。過ごしやすい間取りを実現するためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

老後に平屋に住む5つのメリット

老後に平屋に住むメリットをご紹介します。

1.ケガのリスクが軽減

どうしても、年齢を重ねていくと体力は衰えていき、体が思うように動かせなくなります。階段を上り下りするだけで、ケガを引き起こすリスクありますが、平屋なら階段移動がなく、ケガのリスクが軽減されます。

お子さんや両親など家族が多い時は、それぞれが快適に過ごすためにも2階や3階が必要ですが、老後に夫婦二人暮らしになれば、広い空間は不要となります。

階段のない平屋で、体力に合わせて移動スペースを適切にすることで、より生活しやすい環境が実現できるでしょう。

2.毎日のお手入れがしやすい

キレイな空間で快適に過ごし続けるためには、家のお手入れは欠かすことができません。
電球や電池など消耗品の交換や壁の補修、外周周りの清掃などが常に生じます。年を重ねれば重ねるほど、これらの作業は難しくなります。

平屋なら、2階以上のフロアがないので家を手入れする負担が軽減でき、毎日のお手入れがしやすくなります。

3.快適な生活ができる

毎日過ごす家だからこそ、ストレスなく生活したいもの。室内が広かったり、多層階だったりすると、室内の移動が多いだけで老後は億劫に感じてしまいます。

生活動線をしっかりとシミュレーションした、シンプルな間取りの平屋にすることで、洗面所、トイレ、キッチン、リビング、寝室の移動距離を縮めることができ、生活が快適になります

4.コミュニケーションが取りやすい

平屋であれば、夫婦二人が同じフロアで生活することになるため、コミュニケーションを取りやすくなります。自然と近い距離感で時間を過ごすことになり、夫婦間の会話も増えるでしょう。

お互いに目が行き届く空間にいるため、家事やDIYなど一人での作業が難しい時にも手助けしやすく、トラブルが発生した時に頼れて安心できます。

また、夫婦二人だけであれば、坪数によってそれぞれの自室を持つことも可能です。趣味やプライベートの空間を確保しながら、適度な距離間で過ごすことができます。

5.修繕費用が抑えられる

平均寿命が伸びて人生100年時代といわれる日本は、老後の生活といっても期間が十数年に渡ることがあります。そうすると、住宅は経年劣化していき大規模な修繕が必要になるでしょう。

加えて、年齢を重ねていくごとに体が衰えていくので、バリアフリーを目的としたリフォームも不可欠な状況になるかもしれません。

このように大規模な修繕やリフォームをする際、2階建てよりもコンパクトな平屋の方が費用を抑えやすい傾向にあります

2階建ての家を工事する時に必要な足場組みや、上のフロアに運搬する資材などが必要ないからです。修繕やリフォーム費用を抑える意味でも、老後は平屋にするメリットが大きいといえるでしょう。

老後に平屋で生活する際の間取り


ここでは、老後に平屋で生活する時の間取りについて説明します。
厚生労働省の住生活基本計画における居住面積水準によると、夫婦二人暮らしで快適に暮らしていくための専有面積の基準としては

  • 都市部:50㎡(約15坪)
  • 郊外:75㎡(23坪)

上記のように示されています。そして、こちらを踏まえた上で、夫婦が平屋で生活する際に適した3タイプの広さ、間取りをご紹介します。

【15坪タイプ】 1LDK

夫婦二人が過ごすために確保したい最低限の基準は15坪です。この広さであれば、掃除も簡単で光熱費も抑えた生活が可能です。

基本の間取りとしては、滞在時間の長いリビング、寝室や趣味に使用する部屋を設けた1LDKがいいでしょう。

もし、夫婦がそれぞれ別室を作りたいのであれば、個室2つとリビング、ダイニング、キッチンの2LDKという選択肢もあります。
この間取りを採用する時のポイントは、食事を一緒に楽しむことを想定して、ダイニングは広めに確保しておくこと。
さらに、外には縁側を設置することで、部屋が別であっても二人並んでゆったり話ができるので、適度なコミュニケーションがとれるでしょう。

【20〜25坪タイプ】 2・3LDK

趣味用の個部屋や来客用のスペースが欲しい夫婦が確保したい広さは、20〜25坪。2LDKの空間を確保でき、プライベートの時間も夫婦それぞれが過ごせます。

もし、多少リビングが狭くても良いのであれば3LDKも可能です。夫婦のそれぞれの個室や趣味を楽しむ空間もあり、来客も十分に対応、夫婦が理想とする住まいを実現できるでしょう。

ただし、上記はあくまで基本の考え方です。
例えば、夫婦二人が共通で楽器が趣味だとした場合、一緒に演奏するためだけに使う部屋も追加で必要となる可能性もあります。

ご夫婦ののライフスタイルや来客の人数・頻度などで間取りは変わってきますので、最適だと思える選択をしましょう。

【30坪タイプ】 3LDK

孫や子ども、親戚世帯の来客が頻繁にある夫婦が確保したい広さは30坪、間取りは3LDKが基本です。

  • 夫婦二人それぞれの個室+来客用
  • 寝室+書斎・趣味+来客用
  • 寝室+書斎+趣味

上記の他にも考えられる選択肢は、豊富にあるため、さまざまな使い方ができます。

当然、3LDKにこだわる必要はなく、夫婦2人でいる時間を増やしたいので、部屋数を絞りリビングを拡大することも可能です。
さらに、薪ストーブや広い土間を設けたり、アウトドアやドライブが趣味の場合、ガレージや倉庫の空間を広げる選択肢もあります。

30坪の平屋ならば、使用できる空間が拡大するので趣味や来客、収納などにこだわることができ、開放的で気持ちにもゆとりのある生活が実現できるでしょう。

夫婦二人が住みやすい平屋のポイント


続いて、老後に住みやすい平屋を実現するためのポイントを場所別にご紹介します。

■ リビングから寝室の動線

リビングと寝室は、夫婦二人が最も長く時間を過ごす空間です。間取りを考える時には、以下のポイントを意識すると快適な空間づくりにつなげられます。

  • リビングや寝室、洗面所が直結している
  • 廊下は最低限にとどめ、平屋の面積を有効活用する
  • ランドリールームやファミリークローゼットを取り入れると、洗濯が1カ所で完結できる

この他にも設備面では、室内ドアに引き戸を取り入れると、回遊動線も向上して室内の移動が楽になるのでおすすめです。

■ キッチンと洗面所

キッチンや洗面所は、立ち仕事が多いことから老後を見据えた設計にしておきましょう。リフォームの必要もなくなり、使い勝手の良い空間になります。

具体的には

  • 座って利用できるキッチン、洗面所にする
  • 椅子を使うことを想定し、収納スペースを設置する
  • 掃除しやすい壁、滑りにくい床材を採用する

老後の掃除負担を減らしたり、転倒による事故を防止するためにも大切です。

■ バスルーム

バスルームは、年齢に関係なく転倒を起こしやすい場所です。具体的には、以下のようなバリアフリー思考を取り入れた設計にすると良いでしょう。

  • 滑りにくい床材を選ぶ
  • 浴槽はまたぎ高さが低く、出入りしやすいものを選ぶ
  • 手すりを設置する

例えば、年配の方は足腰が弱いため、小さい段差でも躓いてしまうことが増えたり、突然よろめいてしまうこともあります。
そのような時に何度も立ったり座ったりの動作を繰り返す場所に手すりを設置すると、転倒防止にもなり、動作が簡単にできるようになります。

■ 玄関

玄関は、毎日の外出や帰宅時に必ず通る場所であり、出入りがしやすく、使い勝手を良くすることが大切です。家づくりを計画する段階で老後を見据えて設備を慎重に検討していきましょう。

具体的には、以下の広さと設備の面で意識しましょう。

【広さ】

  • 車椅子や杖などを使っても出入りしやすくする
  • 手すりを設置しても窮屈でない広さにする
  • 靴を履く時など2〜3人使っても狭さを感じないでない広さにする



【設備】

  • 玄関ドア開閉しやすく、スペースを取らない引き戸にする
  • ベンチを設ける
  • 外の玄関ポーチや玄関内にスロープを設置する

老後に平屋を建てる際の3つの注意点


ここでは老後に建てる際の注意点について説明します。

1. 断熱性能を高くする

断熱性能を高めることは、高齢の方にとって重要です。ヒートショックによる死亡リスクが軽減できるからです。

ヒートショックとは、「急激な温度変化により体に負荷がかかり血圧や脈拍が乱高下すること」です。
例えば、冬場にお風呂場に入る際は体が冷えていることが多く、42度などの少し高めに温度設定したシャワーを浴びると血圧が上がりやすくなります。

このように外気の温度が急激に変化すると、血圧も変わるため、脳梗塞や心筋梗塞、不整脈などのリスクが生まれてしまいかねません。

高齢になると気温の変化にも気づきづらくなるため、断熱性が高く家全体の温度が変わりにくい平屋は、シニア世帯に優しい家といえるでしょう。

2. 周囲の環境に配慮する

1階層の構造をとっていることから、平屋は外からの視線が入りやすく、交通量やアパートやマンションなど多層階の建物から影響を受けやすいです。

例えば、高齢者の住宅は空き巣に狙われやすい傾向にあります。防犯性を高める意味でも道路側の方向には小さめの窓を取り付けるようにしましょう。

3. 将来の生活に備えた設計にする

将来の介助が必要な生活を見据えて家を建てると、急な事態にも対応がしやすくなるので、慌てる必要がありません。

具体的に備えておきたい項目は、以下の通りです。

  • 介護の難易度が低い
  • 移動が簡単

介護のしやすさに関しては、扉は開け閉めがやりやすい引き戸にし、車椅子が通りやすいように主要な通路やドアの開口部は広めに確保しておくと良いです。
また、移動については車椅子の生活になる可能性も考慮して、なるべく段差を無くすようにしましょう。

安全性に関しては、適切な場所に手すりを設置すると、立ったり座ったり歩く時に安心できるでしょう。

老後に平屋に住むメリットのまとめ


老後の生活を豊かにする上で、平屋は有効な選択の1つです。
ここまでお伝えしてきたように老後に平屋に住むことで、

  • 階段移動がなくケガのリスクが軽減する
  • 毎日のお手入れがやりやすい
  • 生活しやすい
  • 夫婦のコミュニケーションが取りやすい
  • 修繕やリフォーム費用が抑えられる

上記のようなメリットがあります。

夫婦間のコミュニケーションを円滑にしたり、1階層でケガや事故防止に配慮した間取りが実現できる平屋は、シニア夫婦の生活に寄り添った住まいだといえるでしょう。

ただし、せっかくの平屋も間取りの設計を間違えたり、安全性を欠いた対策をすると、プライバシーが無くなったり、事故の発生率が高い家になり後悔しかねません。

上記のような状況を避けるためにも、施工経験が豊富で信用できる工務店・ハウスメーカーへ相談することが大切です。

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