シックハウス症候群とは?原因・症状・対策を詳しく解説

新築やリフォーム後の住宅で突然体調不良に見舞われる….そんな経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。シックハウス症候群は、建材や家具から放散される化学物質が原因で起こる健康被害です。本記事では、症状や原因・具体的な対策方法までを詳しく解説していきます。

シックハウス症候群とは何か?

住宅の高気密化と化学物質の使用増加に伴い、近年増加傾向にあるのがシックハウス症候群です。新築やリフォーム後の住宅で発生しやすく、様々な健康被害をもたらすことが知られています。その実態と影響について詳しく見ていきましょう。

新築やリフォーム後に起こる体調不良

シックハウス症候群は、主に次のような状況で発症リスクが高まります 

– 新築住宅への入居直後 
– リフォーム工事の完了後 
– 新しい家具の大量購入後 

発症の背景には、現代の住宅事情が深く関係しています。具体的には建物の気密性向上により室内の換気が不足しやすくなったこと、また建材や家具に使用される化学物質が増加したことが主な要因となっています。 

たとえば、一般的な新築住宅では入居後約4年程度の間、建材から化学物質が継続的に放散されます。この期間は特に注意が必要で適切な換気と対策が重要となります。 

化学物質が原因となる健康への影響 

化学物質による健康被害は個人差が大きいことが特徴です。 
以下のような要因が影響します 

– 心理社会的要因・個人の感受性 
– 建材や家具、家庭用品などから発生する化学物質 
– ダニ・カビ・ハウスダスト 
– 湿度

シックハウス症候群の原因物質

室内の空気質を悪化させる化学物質には様々な種類があります。中でもホルムアルデヒドは最も注意が必要な物質とされ、建材や家具から発生する可能性が高いことが知られています。それぞれの物質について発生源と対策方法を詳しく見ていきましょう。

ホルムアルデヒド:代表的な原因物質とその発生源

ホルムアルデヒドは、以下のような特徴を持つ化学物質です 

– 常温ではガス体 
– 無色で刺激臭がある 
– 温度が高いほど放散量が増加 
– 水に溶けやすく水溶液はホルマリンと呼ばれ、消毒剤・防腐剤・接着剤・塗料として使用 

主な発生源として

トルエン、キシレンなど、その他の揮発性有機化合物(VOC) 

トルエンやキシレンなどのVOCは、主に以下の製品から発生します 

– 塗料や接着剤 
– カーペット 
– 消臭剤や香水 
– ストーブやキャンドル 

これらの物質は室温20℃以上で特に放散量が増加するため、夏季は特に注意が必要です。 

どこに潜んでいる?建材、家具、日用品に含まれる化学物質 

化学物質は私たちの生活環境の様々な場所に存在しています。特に注意が必要な場所や製品を具体的に見ていきましょう。 

建材の場合: 

– 合板や床材 
– 塗料 
– 壁紙 
– しろあり駆除剤 

家具の場合: 

– パーティクルボード製の家具 
– 新品の布製ソファ 
– 化学繊維製のカーペット 
– 防虫加工されたカーテン

シックハウス症候群の症状:こんな症状に注意!

目の刺激症状:チカチカ、かゆみ、痛み

目の症状は最も一般的で、以下のような不調が現れます 

– 充血やかすみ目 
– 異物感 
– ドライアイ症状 
– まぶたの腫れ 

これらの症状が出る理由は、化学物質が粘膜を直接刺激するためです。特に涙腺への刺激が強く、ドライアイの原因となることが多いです。

鼻や喉の症状:鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳

呼吸器系の症状として、以下のような不調が見られます: 

1. 初期症状 

– くしゃみの増加 
– 喉の違和感 
– 軽い咳 

2.進行した症状 

– 慢性的な鼻づまり 
– 持続する咳 
– 声のかすれ

頭痛、吐き気、めまいなどの全身症状

全身症状は個人差が大きく、以下のような不調として現れます: 

– 持続的な頭痛 
– 吐き気や食欲不振 
– 疲労感や倦怠感 
– 集中力の低下 

これらの症状は、化学物質への曝露時間(さらされている時間)が長くなるほど悪化する傾向があります。 

皮膚の症状:かゆみ、湿疹、発疹

皮膚症状の特徴: 

– 接触部位の発赤 
– かゆみを伴う湿疹 
– 乾燥肌の悪化 
– アトピー症状の増悪

シックハウス症候群の対策:今すぐできること

日常生活でできる対策から専門家に相談すべき事項まで、段階的な対策方法をご紹介します。特に換気の徹底と化学物質の削減が重要なポイントとなります。 

換気の重要性:適切な換気方法と換気システム 

効果的な換気のポイント: 

1. 換気のタイミング 

– 朝の空気が澄んでいる時間帯 
– 調理や掃除の後 
– 新しい家具の搬入時 

2. 換気の方法 

– 窓を対角線上に開ける 
– 換気扇を併用する 
– 24時間換気システムの活用 

シックハウス症候群の対策:新築・リフォーム前にできること

建材選びのポイント:低VOC建材を選ぶ 

建材選択の重要なポイント: 

– F☆☆☆☆(フォースター)マーク付き建材の選択 
– 自然素材の活用(無垢材、漆喰、珪藻土など) 
– ホルムアルデヒド放散量の確認 

家具選びのポイント:VOC放散量の少ない家具を選ぶ 

安全な家具の選び方: 

– 自然素材使用率の確認 
– エコマーク認定製品の選択

シックハウス症候群の対策:発症してしまった場合の対処法

医療機関への相談:診断と治療 

医療機関選びのポイント: 

– 環境医学に詳しい医師の選択 
– アレルギー科・呼吸器科の受診 
– 症状の経過記録を持参

ハウスダスト対策:アレルギー症状との関連性 

具体的な対策方法 

– 掃除機は高性能フィルター付きを使用 
– 拭き掃除の徹底 
– 寝具の定期的な清掃・天日干し

シックハウス症候群対策専門業者への相談 

専門業者に依頼する際のチェックポイント: 

– 測定機器による濃度検査の実施 
– 改善提案の具体性 
– アフターフォローの体制

シックハウス症候群と化学物質過敏症の違い

要な違いのポイント:

建築基準法とシックハウス対策:関連法規を知る

法規制のポイント: 

1. 建材の規制 

– ホルムアルデヒド放散量の規制 
– 内装仕上げ面積の制限 
– 換気設備の設置義務 

2. 住宅性能表示制度 

– 空気環境に関する等級 
– 換気性能の評価 
– 化学物質の濃度測定

まとめ:シックハウス症候群を正しく理解し、健康を守ろう

重要ポイントの総括: 

1. 予防が最も重要 

– 建材選びの慎重な検討 
– 適切な換気の実施 
– 定期的なメンテナンス 

2. 早期発見・早期対応 

– 症状の観察と記録 
– 専門家への相談 
– 適切な対策の実施 

3. 継続的な管理 

– 定期的な空気質検査 
– 換気システムの点検 

シックハウス症候群は、適切な対策と予防措置により、十分に予防・改善が可能な問題です。本記事で紹介した対策を参考に、健康的な住環境づくりを心がけましょう。特に新築・リフォームをお考えの方は、事前の対策を十分に検討することをお勧めします。

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