薪ストーブの使い方&注意点

使い方を9ステップで解説!導入前の注意点も紹介

火のゆらめきとレトロな外見で、心に”あたたかみ”を与えてくれる薪ストーブ。
近年、暖房器具として、自宅に薪ストーブを設置したいという方が増えています。

薪ストーブは電気ストーブのような一般的な暖房器具と比べると、設置前や後にも手間がかかるもの。

そこで、薪ストーブの使い方を9つのステップに分けて解説します。
きちんとした手順を踏めば、誰でも安全に着火することは可能です。

また、初めて購入を検討する方に向けて、導入前に知っておきたい3つの注意点についてもご紹介します。

判断基準を事前に取り入れてから、導入の検討をしてくださいね。

薪ストーブの焚き付けに必要なのは?

薪ストーブの焚き付けを初めてする方は、薪に火を点けるのは難しいと思いがちです。
ですが、薪ストーブは、「薪」「空気」「熱」さえあれば点火できます。

そのコツは「乾燥した薪」を入手し、「薪の積み方」を整えるだけです。

【必須材料・アイテム】

・新聞紙や使わない紙
・火のつきやすい細い薪、木の皮、木っ端(薪を割いたものや廃材など)
・薪(中サイズ)
・薪(大サイズ)
・チャッカマン(もしくはライターやマッチ)

※あれば便利なアイテム

・ファットウッド
・バーナーファイヤースターター

時短になるので、急ぎの時は活用してみてください。

焚き付け用の細い薪がない場合

焚き付け用の細い薪がない場合は、中サイズの薪を使って細い薪を作ります。

そして、作る時は、必ず革手袋か軍手を着用して作業すること
素手で手斧を扱うのは危険なので、十分に周りに人がいないことを確認しながら作業しましょう。

【焚き付け用の細い薪の作り方】

  • 1.手斧を薪に充てる
  • 2.手斧を薪に当てた状態で一緒に床に軽く当てる
  • 3.手斧が軽く薪に食い込むので、同じ要領で床に薪を当て続ける
  • 4.そのまま続けると、手斧が刺さり良いサイズに割れる

コツは、大きく振りかぶらずに小さく振り下ろすことです。

最初は慣れないかもしれませんが、数を重ねていくうちに体が覚えてきます。
ぜひ試してみてください。

薪ストーブの焚き付け方

薪ストーブを使用するのに必要な材料や道具の準備ができたら、いよいよ薪ストーブの焚き付けです。

焚き付けのポイントとしては、「よく乾燥した薪を使う」こと。

いきなり大きな薪には、火はつきません。
キンドリングクラッカーなどの道具で細かくして、小さく割り燃えやすい状態にしましょう。

実際の薪ストーブの焚き付けは、次の9つのステップに分けられます。

  • 1.空気調整レバーもしくはダンパーを開ける
  • 2.丸めた新聞紙など中心に細い薪を円錐状に並べる
  • 3.新聞紙に点火する
  • 4.中サイズの薪を追加する
  • 5.ドアを2~3ミリだけ開ける
  • 6.木に充分な火が回ったらドアを閉める
  • 7.大サイズの薪を追加する
  • 8.200℃まで上昇したら給気レバー等を閉める
  • 9.ゆっくり燃やす

それぞれ順を追って説明します。

 

1.空気調整レバーもしくはダンパーを開ける

空気調整レバーやダンパーのついている空気調整レバーの場合、点火する前にレバーを全開にしましょう。

新鮮な空気を薪ストーブ内全体に送り込むことで、燃焼効率を上げることができます。

■ 空気調整レバーの場合

着火が遅いと感じたら、レバーが全開になっているかを再度確認してみてください。
レバーを左にスライドさせることで、たくさんの空気を送り込めます。

■ ダンパーの場合

ドアハンドルをダンパーに差し込んでください。
ドアハンドルを差し込んだまま手前に引くことで、煙突との間の扉が開き、空気が入ります。

2.丸めた新聞紙など中心に細い薪を円錐状に並べる

不要な新聞紙などを丸めて、中央に置いていきます。
次に、火のつきやすい細い薪、木の皮、木っ端などを空気が通り抜けやすいように円錐形に並べます。
もし、円錐形にできない場合は、横→縦→横→縦と井桁のように組んでみましょう。
キャンプファイヤーをする時に、薪を組むのと同じ感覚で問題ありません。
円錐形に並べたらさらに、灰皿を手前に引きます。

これにより、より多くの空気を取り込むことができます。

3.新聞紙に点火する

丸めて置いた新聞紙などの不要な紙に、チャッカマンやライターなどで点火します。
新聞紙が燃え始めて少し経つと、細い薪にもすぐに火が燃え移ります。

火の広がり方を見て、火が小さい場合は細い薪などを追加しましょう。

それでも火が大きくならない場合は、着火剤を使用してみてください。

この段階で注意して欲しいのは、中サイズの薪を入れないことです。

理由は、薪は大きいほど燃えづらいことにあります。

まずは、燃やし続けるためにも細い薪で炎を大きくしましょう。

4.中サイズの薪を追加する

火の勢いが出始めたら、中サイズの薪を投入します。

薪ストーブ内の温度が上がり始めているタイミングで薪を入れることで、さらに薪が燃えやすくなります。

5.ドアを2~3ミリだけ開ける

薪を入れた後、ドアを2〜3ミリだけ開けてください。
こうすることで、空気が薪ストーブ内に入り火の回りが良くなります。

そして、そのまま薪ストーブに取り付けている温度計の表示が約100℃になるまで燃やし続けます。

もし、この時点で完全に扉を閉めた場合、結露が生じガラスに水滴が付きます。
そこにはタールが付着しやすく汚れに繋がるのです。

汚れが付くと空気も汚れるため、燃焼効率も下がりかねません。

6.木に充分な火が回ってからドアを閉める

充分に炎が燃え広がり、温度計の温度が約100℃になったらドアを閉めてください。
密閉されることで、さらに燃焼が早くなります。

そのまましばらく燃やし続けましょう。

7.大サイズの薪を追加する

ゆっくりとドアを開けて、大きいサイズの薪を追加します。
薪を入れ終えたら、再度ドアを閉めて燃やし続けましょう。

8.200℃まで上昇したら空気調整レバー等を閉める

薪ストーブに取り付けている温度計の表示が約200℃になったら、空気調整レバーやダンパーなどを閉めてください。

給気を絞ることで、薪が燃え尽きるまでの時間を長くすることができます。

また、この時点で手前に引いていた灰皿を奥に押し込みます。

9.ゆっくり燃やす

給気を絞ったままゆっくり燃やしましょう。
この状態にしておくと、薪の量にもよりますが、だいたい3時間程度は燃え続けます。

ちなみに、給気量を絞ることでオーロラのように火が揺らめき、よりあたたかみを感じられます。

薪ストーブを長時間、使用したい時は?

ここでは、薪ストーブを長時間使用する時の手順を説明します。
手順と言ってもシンプルです。

それは、「必要に応じて薪を追加する」。
これだけです。

ただし、注意点が2つあります。

1.燃料を追加する時は、空気調整レバーやダンパーなどを全開にした後、ゆっくりとドアを開ける。

もし、空気調整レバーやダンパーを閉じたままドアを開けると、室内に煙が逆流してきかねません。

2.100℃以上で十分に温度が上がった状態で”細い薪”は入れない。

温度が上がりすぎて破損・変形の原因にも。

温度を上げたい時は、焚き付けの時に踏んだステップのようにサイズには気をつけて薪を投入しましょう。

熾(おき)で炎を復活させるには?

「熾」とは、薪などの燃えさしのことで、炎が上がらず赤くなっているだけの状態です。

ここでは、熾の状態で炎を復活させる方法について説明します。
ポイントは、焚き付けの要領で新しく薪をくべて火を移すことです。

【炎を復活させる方法】

  • 1.焚き付け時のように空気調整レバーを開ける
  • 2.中サイズの薪から入れる
  • 3.ドアを2〜3ミリ開け空気を入れてあげ

このように、焚き付けと同様のステップを踏むことで新しい薪に火を移せます。

ただし、薪が十分に乾燥しているのであれば、薪全体に炎が回る前に給気口を絞っても問題ありません。

薪ストーブを消火する方法

薪ストーブを消火する方法は、ドアを完全に閉めて空気を絞りそのまま燃焼させることです。

就寝時や外出をする時は、自然に燃え尽きるのを待ちましょう。
地震などの災害時で二次災害などが心配される場合は、ストーブ内に大量の砂を入れて火を消すこともあります。

一方で、NGの消し方もあります。
それは、水をかけて消火することです。この行為はかなり危険です。

その理由は、ガラスや部品のヒビ割れや歪みが生じることで、炎が外に漏れだす可能性があるからです。
基本は、自然に任せるのが最も安全で確実な方法だと言えます。

薪ストーブ導入前に知っておきたい3つの注意点

これまで、薪ストーブの使い方について詳しく解説してきました。
ここからは、そもそも薪ストーブを導入する前に知っておきたい注意点を3つ説明します。

これらを知ることで使い方だけに留まらず、さらに快適な薪ストーブライフを楽しむことができるようになります。ぜひ参考にしてください。

1.間取りと安全性を重視

薪ストーブを購入・設置するに当たり、何を優先するべきかは気になるのではないでしょうか。

導入するにあたって一番気を付けたいのは、「間取り」です。

なぜなら、薪ストーブはその周りをあたためるだけだと暖房器具として効果が半減することになるからです。

周囲だけだと役割としては不十分で、本来は家全体をあたためることが役割としてあります。

例えば、マンションの間取りを想像すると分かりやすいです。

玄関からリビングへ向かう途中で、左右に各寝室などがあります。
さらに奥まで進むことでリビングにたどり着くのですが、この時点で各部屋はリビングから離れています。

加えて、壁で分断されているため、マンションは熱が伝わりづらい構造です。
エアコンであれば一部の範囲を暖める役割なので各部屋に設置するでも構いません。

ですが、薪ストーブを各部屋に設置するとなると本来の効果を発揮することはできなくなります。

そのため、薪ストーブはエアコンやヒーターなど暖房器具と違い、リビングへの設置が基本となるのです。

そうすることで「リビング」→「各部屋」へ熱を届けられ、家全体をあたためることができます。

薪ストーブの温もりを最大限に活かすためには、家全体の空間が繋がることを意識した間取りにしましょう。

2.使用シーンを想定した薪ストーブ選び

次に注意したいのは、使用シーンを想定した薪ストーブ選びです。
具体的に、適切なサイズ、暖房能力のストーブをどのように選べばいいのか気になるのではないでしょうか。

結論から言うと、薪ストーブのメーカーはたくさんあるので、一概にどれが良いとは言えないです。

『THE FUN house』では、ベルギー製の「ネスターマーティン」をおすすめしています。
その理由は、薪ストーブ初心者の方でも薪ストーブライフを楽しみやすいからです。

ネスターマーティンの特徴として

  • ・燃焼効率が良い
  • ・熱変化に強い
  • ・ガラス面が大きいから炎を楽しめる
    この3つが挙げられます。

通常、木が燃える時にエネルギーを発します。
ネスターマーティンは、そのエネルギーを熱として伝える効率が1番優れているのです。

そのため、燃焼効率が良いと言えます。

また、薪ストーブの種類によっては、温度変化に耐えきれずに外装の鉄が割れてしまうこともあります。


なぜなら、スギやヒノキなどの燃えやすい針葉樹を燃やすと、急激に炉内の温度が上がりやすいからです。

このように中にはデリケートな物もあり、薪ストーブを選ぶ時には注意が必要です。

その点では、ネスターマーティンは何でも燃やせて頑丈なため、熱変化に強いと言えます。

薪ストーブの購入はどこからすれば良い?

では、具体的に薪ストーブの購入はどこですれば良いのでしょうか。

端的に言うと、薪ストーブ屋さんから購入をしてください。

もちろん、住宅会社でも問題ありませんが、薪ストーブのある家に住んだことない営業担当者だと、話の内容に信ぴょう性がありません。
どこまでいっても、他人の話の又聞きでしかないからです。

過去には、知ったフリをして伝えたがために火事になったケースもあります。
それだけ、薪ストーブはきちんとした設計が必要な暖房器具と言えます。

設置時と設置後にどのくらい費用がかかる?

では、設置時と設置後にはどれくらいの費用を見込んでおけば良いのでしょうか。

まず、設置時には約200万円前後は必要となります。

ストーブ本体の価格は約50万円程度が平均価格。
大きなものでは100万円近くになるものもあります。

これに煙突やその工事費用を含めると、200万円前後かかる計算です。

ただし、上記したように設置費用はストーブのサイズや種類で変わるため一概には言えません。

また、設置後のランニングコストは1シーズンで15万円前後は必要となります。

その内訳としては

・まき代 約10万円(全額購入の場合)
・煙突掃除代  約2〜5万円(専門業者依頼時)

このようになります。
ただし、燃やす薪の費用は、一概には言えません。

設置した環境や、その年の天候などで大きく影響されるためです。
あくまで目安として参照してください。

3.薪ストーブライフを楽しむためには

薪ストーブライフを楽しむためには何が必要なのでしょうか。

この疑問への答えは、薪ストーブ仲間を持つことに尽きます。

その理由は、シンプルに初心者だと情報や経験値が不足する傾向にあるからです。

初めは何が分からないのかさえ分からない状態でも、おかしくありません。

約3割の方が薪ストーブを設置される『THE FUN house』では、薪ストーブオーナー様のコミュニティがあり、薪の調達を協力し合い、掃除方法、便利アイテムなどの情報共有をしています。



薪ストーブライフを怪我なく事故なく安全に楽しみたい方は、薪ストーブ仲間のいるコミュニティに入ることをおすすめします。

薪ストーブの家に住んでいるからこそ分かることばかりです。

薪ストーブの使い方のまとめ

薪ストーブというと「扱いが難しそう」「木を燃やすから環境に悪そう」といったイメージがあるかもしれません。

ですが、これまでに見てきたように、きちんとした知識と経験を重ねていけば誰でも使えます。

また、環境にとっても良いものです。

なぜなら、薪を燃やして発生する二酸化炭素は、木が成長する時に吸収したものを排出しているだけだからです。

その時に排出する二酸化炭素炭素量は、地球上のそれの総量と同じになるそうです。
だから、薪は地球環境にやさしい燃料とも言えます。

また、薪ストーブを導入するなら蓄熱機能がある家を選ぶことも重要です。

蓄熱する素材で家を建てると、家全体のどこに行っても暖かく、薪ストーブの温熱効果もさらに上がります。

蓄熱素材の中でも、

  • ・床、天井は無垢の木、中でも杉
  • ・壁は、漆喰や塗り壁
  • ・断熱材は、自然素材の紙や羊毛

これらの条件を揃えた家は、自然環境はもちろん、健康や美容にも良いものになります。

『THE FUN house』の家は、薪ストーブの家に合う漆喰壁、杉の床・天井、セルロースファイバーが標準仕様の自然素材の家です。

モデルハウスや完成見学会では、薪ストーブの魅力や自然素材の家の心地良さなど肌で感じていただけるはずです。ぜひ一度、ご来場ください。

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